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柏を探索! まちかどレポーター!

「柏がフィールド ver.1 吉岡龍一」

2011/06/08

「柏がフィールド」について

  「柏がフィールド」題して、柏を舞台にして活動する、人々を追います。
 何を柏でしているのか?なぜ柏でやっているのか?その人が語る柏の魅力とは何なのか?を聞き出す事にによって、読者の皆様に、柏には様々な活動をしている人々が集まっている街だと言う事を知って頂くとともに、柏の魅力を伝えれる事が出来ればと思います。

「柏がフィールド ver.1 吉岡龍一」

長身ではっきりした端正な顔立ちの若者は、初対面の私に対して、礼儀正しく挨拶をし、約束の場と時間にしっかりと現れた。私の矢継ぎ早な取材に対して、一つ一つ丁寧に答えてくれる中で、その若者が、22才とは思えない落ち着きと、しっかりとしたビジョンと夢を持ち、少なくとも、外見も内面も好青年であると言う事は、取材を始めてすぐに理解する事ができた。

吉岡龍一22歳。職業、農業家。彼は今、柏で農業にチャレンジする男である。

それも、柏で『サスティナビリティーな農業』(持続可能な循環型農業)を成り立たせるという思いを持った農業家だ。

充実した今

大学を卒業後、柏市の就農支援事業により、市内の農家で働きながら、農業家の一歩を踏み出した。そこでは、土を耕す所から、収穫、出荷まで。農業家としての様々な仕事を行っている。
 
仕事については、迷い無く「楽しい」と語る。そう語る言葉と表情から、農業家として進む確かな自信と現在の充実感が伺える。
 
柏市出身で柏と松戸で育った、生粋の東葛っ子だ。子供の頃からサッカーに興じた以外は、自ら「普通の学生生活を送った。」と語る。

転機は大学時代。
旅やインターンを通じて、そこで、自然と共に生きる人と短期間ながら生活を共にした事から、彼は「農業」を職業として選択した。

なぜ柏で農業なのか

農業をやりたいなら、柏よりもっと農業が盛んな土地でやろうとは思わなかったのか?

彼は「柏で農業をやる事に意味が有る。
都会でも田舎でも無い、この土地だからサスティナビリティな農業をやる事に意味が有り、間違いなく、それを成り立たせる消費者がいて、素地はあると思う。」と語る。

人口45万人を超える消費地である柏。
今や市内にある、野菜生産者直売所は毎日、多くの人々で賑わう。
 
柏産野菜の需要は多いにある。
そこに彼は自分のフィールドとして大きな期待を持つ。

一方でこうも語る。
「柏で農業をやる人はどんどん減っている。休耕地はどんどん増えている。」

事実、市によると、旧柏市と旧沼南町を合わせた市内の農家の数は、平成2年から平成17年の間に560戸あまり、20%以上減っている。

決して柏の農業が上向きでない事や農業が抱える問題もしっかりとわきまえている。ただ農業をやりたいが為にやっているのではなく、現実と問題をしっかりとわきまえ、さらにその解決への道筋をも視野に入れている。
休耕地を再び畑へ。<br>種を蒔いた場所を確認する吉岡さん
休耕地を再び畑へ。
種を蒔いた場所を確認する吉岡さん

自分と柏の農業の将来を見つめて

「これからは柏の学生達の中から働き方の一つとして、農業と言うのが当たり前になったらいいですね。今、都会から農業に憧れて、地方に行く若者が多い。
都会から地方の間にそういう舞台が有る事も知ってもらいたい。」また、「若者にどんどん農業に触れてもらいたい。体験すれば楽しさがわかると思う。」とも語る。
子供達が農業・畑に触れられる場の作成にも今取り組んでいる。

彼は自分に続く、若者を望んでいる。
そうなれば、柏の人達が柏産の野菜をもっと食べられる機会が増える。
そうなれば柏の消費者は柏の農業と生産物に関心を持つ。
関心を持てば、柏の農家はよりおいしくて、安全な野菜を作ろうと努力をする。
そうした、好循環が柏の中で成り立つ事が彼のビジョンだ。

今は研修生として、柏の様々な農家を廻りながら、勉強する日々。
2度目に取材した彼は、初夏の日差しで、全身日焼けしていた。

取材を通して知った、彼の人柄、性格、行動力から思うと、彼が作った、おいしくて安全な野菜を我々が口にする日と、それが日常になるのはそう遠くないと私は思っている。

吉岡龍一ブログ 「To be a farmer

レポート:行政翔平(Shohei Yukimasa)

我孫子育ちの27歳。
昨年夏から、約5年振りに我孫子に生活拠点を戻し、東葛飾の良さ、課題を再認識。
現在は柏や我孫子を中心に活動中。
我孫子のイベントスペース「ABIKOs」でミュージックライブの開催を手がける。
また、スモール&フェアツーリズムの普及に取り組み、7月9日に松戸でイベントを開催予定。