九十九屋さんたの妖怪古今録
田舎道で、しめ縄や人形などを見かけたことはありませんか?
各地へ出かけたとき、道々で様々なものを見ることがあります。
藁でつくってあった蛇であったり、しめ縄であったり、人形であったり。それは「道切り」と言われる行事かもしれません。
「道切り」は、文字通り村や町などの境に、何かを設置して、道を「切る」ものです。
しめ縄や、人形、網などが置かれていと、あれ?と思ったりしますよね。
昔から、「あやしいものは境界からくる」という話があります。つまり外部から訪れるということです。そうそう遠くに出かけることのない時代、村など生活している日常の範囲以外は全て外は異界、この世のものではない世界として考えられていました。
先祖や神様といった福をもたらす存在も「異界」つまり外から来るのですが、同時に悪いことも外から来るのです。そこで、「道切り」をすることで、道に切れ目を入れ、悪いものが入らないようにしたというわけです。
船橋市中野木では二月に「辻切り」が行われます。つじぎりといっても、新しく手に入った刀の試し切りとかではありません。船橋の「辻切り」は、わらで作った大蛇を旧村の入り口にある木にかけるという、船橋市指定無形民俗文化財です。
船橋市で見られない方は、ぜひ佐倉の歴史民俗博物館にいってみてください。「民俗」の常設展示の一つとして見る事ができますよ。